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住宅紛争の解決方法

住宅紛争の内容はいろいろありますが、その解決方法には以下の様な方法があります。

(1)協議 

   まず最初は話し合いによる解決が試みられるのが普通です。 解決を目指して話し合いをすることが協議です。
   問題となっている事項に関して相手方に十分な説明を行い、相手方の意見を聞いた上で一定の解決方法を行う場合に用いられ、第三者 の関与は必須ではなく、第三者が関与する場合にも、その第三者はどちらかの側に加担するのが普通です。 

(2)あっせん 

   あっせんとは、うまく事が進むように間に人が入って世話をし、とりもつことです。 当事者間の話し合いに第三者が関与し、解決する方法 の1つです。  あっせんでは解決案を第三者から提案されることは少ない。 

(3)調停 

  調停は、紛争について第三者が当事者間を介し、その紛争の解決を図る手続きです。 第三者は公平中立の公的機関であり、調停手続 きの方が委員から解決案の提案がなされることが多い。 但し、調停案は、あっせん案や仲裁手続きにおける和解案と同様に、当事者を拘束するものではありません。

(4)仲 裁 

   仲裁は、当事者の合意に基づき、第三者の判断によって、その当事者の紛争を解決する手続きです。
   この手続きが利用される場合とは、当事者同士の話し合いがどうしても合意に至らない時、第三者の判断で紛争を終了させたいと
当事 者が考えている時です。 仲裁機関により仲裁判断が下されると、当事者はその内容を原則として争うことができなくなります。

(5)訴 訟 

 訴訟とは裁判機関に対して紛争の当事者の一方が他方を相手方として、法律上自己に有利な解決を求め、相手方がこれに対して争う場 合に、裁判機 関が法律的判断を下し、双方の法律関係を確定する手続きです。  
 この手続きは、話し合いで合意ができなかった時や、そもそも話し合いの機会さえ持てなかった時に、最終的な解決方法として選択されるこ とが多い。


住宅紛争の解決機関

解決機関として、現在以下のようなものがあります。参考にしていただきたいと思います。

(1)指定住宅紛争処理機関
  この機関で取り扱われる紛争は「建設住宅性能評価書が交付された住宅の建設工事の請負契約又は、売買契約に関する紛争」です。
  全ての住宅紛争の解決を目的としたものではありません。
  財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 東京都千代田区紀尾井町6番26−3 上智紀尾井坂ビル5階
                                 (大代表) 03−3261−4567

(2)弁護士会仲裁センター
  全国すべての弁護士会が設立しているわけではないが、ADRセンター(裁判外紛争解決機関)です。
  裁判外紛争解決機関として「民事上の紛争」全般を取り扱っています。 住宅紛争は基本的に全て持ち込んで解決してもらうことができます。
  第一東京弁護士会の仲裁センター 東京都千代田区霞が関1−1−3
                        03−3595−8588

(3)日本司法センター「法テラス」
  国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
  お問い合わせの内容に合わせて、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓 口を 法テラ ス・サポートダイヤルや全国の法テラス地方事務所にて、無料でご案内しています(情報提供業務)。また、経済的に余裕のな い方が法的トラブ ルにあったときに、無料法律相談や必要に応じて弁護士・司法書士費用などの立替えを行っています(民事法律扶助業務)。

(4)土地家屋調査士会境界紛争解決センター
   土地家屋調査士会では、都道府県単位でADRセンターを設けて境界問題による紛争を解決することを目指しています。
   東京都土地家屋調査士会により設立されたのが、裁判外紛争解決手続き(ADR)です。
   土地家屋調査士と弁護士を構成員とする合議体によって、調停又は仲裁による紛争解決を図るというものです。
   境界紛争解決センター 東京都千代田区三崎町1−2−10 東京土地家屋調査士会
                  03−3295−0022

(5)不動産鑑定士調停センター
   社団法人日本不動産鑑定協会が開設した裁判外紛争解決手続(ADR)です。
   地代・家賃・借地権・借家権の価格、増改築による借地条件の変更等の紛争を不動産鑑定士と弁護士とが調停手続きにより解決を図る機関です。    住宅紛争一般を扱うわけではないが、地代・家賃等の紛争には活用できます。
   不動産鑑定士調整センター 東京都港区虎ノ門3−11−15 SVAX TT ビル 9階
                     03−3434−2304

(6)建設工事紛争審査会
   建設業法25条以下に根拠をおく紛争解決機関です。
   国の機関である中央建設工事紛争審査会と都道府県の機関である都道府県建設工事紛争審査会とがあります。
   どちらも、あっせん、調停、仲裁の権限があります。
   対象となる紛争は「建設工事の請負契約に関する紛争」とされているので、発注者と請負人との間の紛争か、請負人間における紛争に 限られます。

(7)都道府県。市町村の窓口でのあっせんや調停
   都道府県や市町村には、建築紛争の相談や解決を図る為の部署が名称はさまざまであるが通常設けられている。
   問題が発生した地の都道府県に問い合わせて確認する必要があります。

(8)裁判所の民事調停、訴訟
   「民事に関する紛争」の解決を図ることを目的とした裁判所における手続きです。
   民事調停は原則的に簡易裁判所で行われる手続きですが、東京地方裁判所には建築紛争の調停専門部があります。
   これに対し、訴訟は公権力の判断によって終局的な紛争の解決を図る手続きです。

(9)不動産取引の紛争と裁判事例