優良中古で認定制度 国交省が13年度までに 質向上や市場活性化へ

[住宅新報 2012年2月28日号]..

国土交通省は、優良な中古住宅の認定制度を構築する方針だ。住宅ストックの質の向上や中古流通の促進が目的。また、流通を契機にしたリフォーム市場を活性化させる期待もある。
制度は、中古流通時やリフォーム時などに検査、評価を行い、認定する形を検討。認定住宅には、税制優遇などのインセンティブを与えたい考えだ。
同制度は、長期優良住宅法の改正で位置付けることなどを検討する。13年度までの制度運用開始を目指す。

認定基準の項目は、長期優良住宅の認定制度で求められる劣化対策や耐震性、維持管理・更新の容易性、省エネルギー性などをベースに検討する。
具体的な基準は未定だが、対象とする住宅の間口をどの程度にするか考えた上で、長期優良住宅と同等を求めるかどうか、求める項目を減らすことを含めて検討するという。

マンション評価に課題も
認定制度構築に向けては、検査、評価手段に課題が残る。特にマンションの共用部分だ。

中古流通を契機にした住宅検査は、国交大臣指定の住宅専門の保険会社(保険法人)が、中古住宅用瑕疵保険を提供する際に行っている。
しかしマンション戸単位での検査技術は確立されておらず、戸単位で同保険に加入する場合は、1棟検査が必要なのが現状だ。

認定制度の構築もこの部分はネックになると見られる。このため、認定制度は戸建て住宅が先行してスタートする可能性もあるという。

同制度は、国交省の有識者会議が2月20日にまとめた、20年までに中古・リフォーム市場を倍増するための具体策を盛り込んだ「中古住宅・リフォームトータルプラン」案(別掲)に
「既存住宅を長期優良住宅等として認定・評価するために必要となる認定・評価基準を整備する」として、盛り込まれた。

インスペクションで指針 エネルギー消費見える化も 中古市場倍増プラン案

国土交通省の有識者会議が2月20日にまとめた「中古住宅・リフォームトータルプラン(今週のことば)」案には、これまで議論されてきた住宅専門の保険会社(保険法人)が提供する
中古・リフォーム用瑕疵保険の充実や、優良中古の認定制度の構築をはじめとする中古ストックの質の向上を目指す施策のほか、インスペクションに関するガイドラインの策定や一次エネルギー消費量の見える化といった消費者への情報提供を促進する方策が盛り込まれた。

インスペクションに関するガイドラインは、検査人の質や検査・調査の項目、方法などの在り方について検討したうえで、消費者やインスペクション事業者向けに、取りまとめることを目指す。
中古住宅流通市場の活性化に向けて、消費者の住宅の質への不安を解消するためなどのツールとして期待がかかるインスペクションについて、適切なサービスの提供を促すことなどが目的だ。

国交省住宅生産課住宅瑕疵担保対策室は、指針取りまとめに向け、「インスペクションは、中古流通の中で重要性が認識されている一方、現状は検査方法や利用方法、機能などが様々。
まずは実態把握を進めたい」と話している。指針の取りまとめ時期は未定。

一方、住宅の1次エネルギー消費量の見える化は、住宅品確法に基づく住宅性能表示制度で整備する考えだ。

耐震性やバリアフリー性をはじめとする住宅の性能を評価・表示する同制度で、評価方法を検討したうえで、まずは新築を対象に12年度中の具体化を目指す。
住宅性能表示制度はその性能ついて、等級や数値を用いて表示している。一次エネルギー消費量の表示については、等級か数値かの方法も含めて検討するという。

そのほか、トータルプラン案では、インスペクションやリフォーム事業者との連携を通じた、宅建業者のコンサルティング機能向上なども盛り込んでいる。

なお、国交省は取りまとめられたプラン案を踏まえ、3月中に同省プランとして正式決定し、公表する。